「残業なし」と書かれた求人票を信じて会社を選んでも、実際の働き方までは分からない――そう感じた経験が、私にもあります。


この記事でわかること
- 「残業なし」の求人票が嘘っぽく見える3つの理由
- 求人票の嘘を見抜くチェックリスト5選
- 求人票だけではわからない情報の調べ方
- 面接・内定後に残業の実態を確認する具体的な聞き方
「残業なし」「残業ほぼなし」の求人票が嘘っぽく見える理由
結論から言うと、「残業なし」と書かれた求人票のすべてが嘘というわけではありません。ただし、誇大表現や意図的な省略が含まれているケースは少なくありません。
求人票が実態とズレやすい3つのパターン
- 会社全体の平均値で残業時間を表記している
- 「みなし残業」「固定残業代」で残業を見えにくくしている
- 「定時で帰れるかは個人次第」という職場文化が残っている
求人票の残業時間は、会社全体の平均値であることが多いです。部署ごとの差が大きくても「平均月20時間程度」とまとめられ、実態とかけ離れることがあります。
「月給25万円(みなし残業代含む)」のような表記も要注意です。あらかじめ一定時間分の残業代を給与に含める仕組みで、時間が長いほど残業も多い傾向があります。
法律で認められる残業の原則上限は、月45時間・年360時間です(厚生労働省・働き方改革関連法)。
また、「残業なし」と書きながら、実際には周囲が残っていて帰りにくい職場も存在します。口コミを調査すると、「残業はないと言われたが、雰囲気的に帰れない」という声も見られます。
求人票の嘘を見抜くチェックリスト5選
「残業なし」を信じていいかどうかは、次の5点で判断します。まずは全体像をチェックしてから、それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 固定残業代・みなし残業の時間数が明記されているか
- 年間休日数が120日以上、かつ完全週休二日制か
- 平均残業時間が具体的な数字で書かれているか
- 社会保険完備と明記されているか
- 雇用形態が正社員(無期雇用)と明記されているか
①固定残業代・みなし残業の時間数を確認する
固定残業代の時間数が明記されているかどうかが、実際の残業量を推測する手がかりになります。2015年施行の若者雇用促進法により、企業は金額・時間数の明記を義務づけられています。
時間数が書かれていない求人は要注意です。
| みなし残業時間 | 入社後の残業の目安 | 判断 |
|---|---|---|
| 〜20時間 | 比較的少なめ | ◎ |
| 20〜40時間 | 月40時間前後の残業が想定される | △ |
| 40時間以上 | 残業が常態化している可能性大 | × |
②年間休日数が120日以上か確認する
残業と休日は表裏一体です。厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」(2026年8月確認)によると、年間休日数の平均は116.6日です。
| 年間休日数 | 週休の目安 | 判断 |
|---|---|---|
| 120日以上 | 完全週休2日+祝日休み | ◎ホワイト寄り |
| 114〜119日 | ほぼ週休2日 | 〇平均的 |
| 105〜113日 | 月1〜2回土曜出勤あり | △ |
| 104日以下 | 土曜出勤が常態化 | ×要注意 |
「週休二日制」と「完全週休二日制」は別物です。完全週休二日制は毎週必ず2日休めますが、週休二日制は月1度でも週2日休める週があれば表記できます。
求人票では「完全週休二日制」かどうかを確認してください。
③平均残業時間が具体的な数字で書かれているか確認する
「残業少なめ」「残業ほぼなし」など曖昧な表現しかない場合は警戒が必要です。本当に残業が少ない会社は、具体的な数字で書く傾向があります。
OK例・NG例で見分ける
- OK例:「平均残業時間:月8時間(実績)」
- NG例:「残業少なめ」「残業ほぼなし」
- NG例:「ノー残業デー導入」(=残業がある前提の取り組み)
「ノー残業デー」は、もともと残業がある会社が削減に取り組む制度です。残業が少ない会社にはそもそもこの取り組みが不要なため、逆に残業ありのサインになることがあります。
④社会保険完備かどうかを確認する
正社員として長く安心して働くには、健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の4つが揃っていることが必須です。「社会保険完備」と書いてある求人はこの4つが揃っています。
書いていない、あるいは「一部加入」と書いてある求人は注意が必要です。
⑤雇用形態が本当に「正社員(無期雇用)」か確認する
求人票に「正社員」と書いてあっても、実態は「契約社員」や「試用期間後に正社員登用を検討」という場合があります。
| 表記 | 意味 | 注意度 |
|---|---|---|
| 正社員(無期雇用) | 最初から正社員 | ◎ |
| 正社員登用あり | まずは契約社員として採用 | △ |
| 試用期間後に正社員 | 試用期間は別の雇用形態 | △条件確認必須 |
| 正社員(有期雇用) | 期限付きの正社員 | ×実質は契約社員 |
利用者の口コミでは、「登用前提と聞いたが、実際は何年も契約社員のまま」という声も見られます。「正社員登用あり」という表記は、必ずしも登用が保証されているわけではありません。
自分だけでは求人票の裏付けが取りにくいと感じたら、転職エージェントに実態を確認してもらう方法もあります。
エフリーエージェント(ANNA)は業界・職種を横断して求人を紹介するエージェントです。求人票に書かれていない残業や休日の実態を、担当者経由で確認できる場合があります。
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求人票だけではわからない情報の調べ方
5つのチェックをクリアした求人でも、求人票だけでは知れない情報があります。以下の方法で、さらに深掘りしてください。
求人票以外で確認したい3つの方法
- 口コミサイトで残業・休日の実態に関する投稿を確認する(1〜2年以内の新しい投稿を優先)
- 公式の採用ページや、上場企業なら決算情報・統合報告書の離職率・平均残業時間を確認する
- 転職エージェントに「残業の実態を教えてほしい」と直接聞いてみる
転職エージェントは企業の採用担当者と直接やり取りをしています。求人票にない職場環境を把握している場合があります。
口コミはポジティブ・ネガティブ両方を公平に読み、総合的に判断してください。
面接・内定後に残業の実態を確認する方法


面接の途中で残業について聞くのは、多少リスクがあります。ただし、確認せずに入社してしまう方がリスクは大きくなります。
そのまま使える確認フレーズ
- 「配属予定の部署の、直近3ヶ月の平均残業時間を教えていただけますか」
- 「繁忙期はどのくらいの残業になりますか」
- 「定時で帰ることについて、職場の雰囲気はどうですか」
これらは、最終面接後の「オファー面談」で確認するのが最も安全です。オファー面談の依頼は失礼にはあたりません。
もし依頼を断られた場合、それ自体が実態を知られたくないサインである可能性があります。
転職エージェントを使っている場合は、エージェント経由で企業側に確認してもらうこともできます。自分で聞く必要がないため、心理的なハードルが下がります。
「自分だけで聞くのは不安」という方は、面接同席や条件確認をサポートしてくれるエージェントを頼るのも一つの方法です。
\ 担当者を通じて相談する /
「残業なし」だと思って入社したのに違った場合の選択肢
チェックを重ねても、入社後に「思っていた働き方と違う」と感じることはあります。その場合、無理に我慢し続ける必要はありません。
派遣を経て正社員を目指す方は、次の働き方を考える際に派遣の3年ルールがひどい理由と対策も参考にしてください。
定時退社を重視するなら、男性版ゆるい仕事ランキング・女性版ゆるい仕事ランキングも参考になります。
業界・職種の絞り込み方に迷う場合は、自分軸から判断する業界・職種の絞り込み方も参考になります。
FAQ|よくある質問
求人票に「残業なし」と書いてあれば、入社後も残業はないですか?
保証はできません。会社全体の平均値であったり、採用時点の条件提示であったりする場合があります。年間休日数・みなし残業の有無・具体的な残業時間の数値をあわせて確認してください。
「固定残業代あり」の求人は避けたほうがいいですか?
一概にNGではありません。みなし残業時間が20時間以内なら比較的問題が少なく、40時間以上は残業が常態化している可能性が高いです。超過分が「追加支給」と明記されているかも確認してください。
「週休二日制」と「完全週休二日制」は何が違いますか?
完全週休二日制は毎週2日休めます。週休二日制は月1回でも週2日の休みがあればよく、毎週2日休めるとは限りません。求人票では「完全週休二日制」かどうかを確認してください。
面接で残業のことを聞いても印象が悪くなりませんか?
面接の途中で聞くのはやや印象を気にする必要がありますが、最終面接通過後の「オファー面談」で確認するのが安全です。依頼を断られた場合は、実態を知られたくないサインと考えられます。
入社後に求人票と労働条件が違っていた場合、どうすればいいですか?
明示された労働条件と実際が異なる場合、労働基準法第15条により労働契約を即時解除できます。ハローワーク経由の求人であれば、ハローワークにも相談できます。
まとめ|求人票の「残業なし」を見抜いて後悔しない転職を
この記事の要点
- 求人票の「残業なし」は誇大表現が含まれることがある
- 「みなし残業・固定残業代」の時間数で実態の残業量を推測できる
- 年間休日120日以上・完全週休二日制かどうかを確認する
- 曖昧な表現の求人は、具体的な数字がない点で信頼性が低い
- 口コミサイトや転職エージェントを使って求人票の裏を確認する
「残業なし」の正社員は、確かに存在します。ただし、求人票の文言をそのまま信じるだけでは、同じ失敗を繰り返すリスクがあります。
この記事のチェックポイントを使って、今日から求人を見直してみてください。一人で判断に迷うときは、転職エージェントに相談しながら進めると実態を確認しやすくなります。
登録・相談は無料。複数比較した方が条件の良い求人に当たりやすいです。
※相談だけでもOKです。
